大阪府高石市 市議会議員 山敷めぐみ

山敷めぐみ(高石市議会議員)

全国都市問題会議in八戸市

2023年10月14日

12日、13日と青森県八戸市に行ってきました。初日のスタートが9時半なので前日に現地入り。全国都市問題会議は「文化芸術・スポーツが生み出す都市の魅力と発展」というタイトル。初日は基調講演と幾つかの報告を拝聴しました。私が一番印象深かったのは一般報告の1番目。文化事業ディレクター吉川由美さんの「まちづくりの活力は地域に根ざした文化政策から育まれる」という報告でした。

タイトルだけ見たら「??」だったのですが、お話が進むにつれて涙が出るほど感動する個所も…。

吉川さんは2010年から「八戸ポータルミュージアムはっち(こちら)」の開館準備に携わっておられ、その後震災を挟んで10年間アートプロジェクトをディレクション(進行管理・演出など)されていました。その時に柱とした考え方のひとつが「地域資源の価値を再発見する」こと。

地域資源のひとつとして挙げられたのが八戸市に伝わる八戸三社大祭。そこで活躍するのがきらびやかな山車(写真参照)。これは毎年、地域の人々が発泡スチロールの彫刻や繊細な衣装などを手作りされるとのこと。

【巨大&華やか!地域の方の手作りと聞いてビックリ( ゚Д゚)】

また子ども達のお囃子の指導や運営を賄うご祝儀を集めることなども手分けして担われるというお話を伺って、高石のだんじりを連想しました。

吉川さんご本人も実際に山車作りを手伝う中で気付いたのは「これは単に和気藹々とした祭り好きが集まる場ではなく、皆が地域社会の一員としての自分を確認し、さらには地域をつくる人を育てる場である」ということ。これを『地域の分母としての文化』と仰いました。

この『地域の分母としての文化』が東北の震災後に力を発揮します。こちらも以前から関わっておられた南三陸町の牡蠣養殖現場。震災で壊滅した中、文字通り私利私欲を捨て全員が「養殖の権利放棄」を行い(勿論多くの葛藤と議論があり、つかみ合いの喧嘩もしながらの結論だったそうですが)、養殖筏を以前の三分の一に減らし、厳しい国際基準をクリアしたことで海の環境が回復。結果的には震災前以上の収益アップを果たしたお話をされた時は感動で涙が出ました。その選択ができたのは、経済合理性や利便性からは培われない「文化(南三陸の場合は『講』)」が根底にあればこそ。結びに「分子としての文化政策ではなく分母を支える文化政策を」「地域社会の分母を担う人づくりを」と仰いました。

ブログではお話の一端しか紹介できませんが、文化政策というのは勿論まつりだけではなく、音楽も美術も演劇もダンスも含めて表現活動全般に対しての政策です。文化活動の中で経済活動とは別のフラットなコミュニケーションの場が作られ、そこで生まれる繋がりが地域の結びつきを強くする、というのは大切な観点。今回、畑中市長もご参加でしたので、今日のお話を高石のまちづくりにも生かして頂けることを期待します。

2日目の内容は項を改めます。

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