越前市と加賀市へ(委員会視察)
2025年10月23日
昨日、今日と一泊二日で総務文教委員会の視察に行ってきました。
昨日22日は福井県越前市(こちら)に行きました。テーマは「部活動の地域移行」。越前市では2023年度より国のモデル事業として休日のクラブ活動を地域に移行する取り組みを始めています(こちら)。3年目の現在、指導者は100人も居てるそうですが、そのうち70%は兼業届を出した教員とのこと。15種類(軟式野球・バレーボール・バスケットボール・ソフトテニス・剣道・陸上・柔道・卓球・サッカー・バドミントン・吹奏楽・合唱・美術・文化芸術・ロボコン)のクラブ活動を土曜日と祝日は地域クラブ活動として実施しています。大会などへの参加は、生徒の希望により中学校から参加しても地域クラブから参加しても良いとのこと。
中学校の部活動は土・日・祝日は休みになります(つまり日曜日はすべての活動が休み)。
兼業の教員を含む指導者には1時間2000円の報酬が支払われますが、国のモデル事業なので100%国負担。保護者負担は保険料の800円/年だけとのこと。ただし、今年度末でモデル事業は終了します。来年度以降の報酬や保護者負担については現在検討中、とのことでした。
越前市の中学生は約2,000人(1~3年生)。部活動参加率は85%。そのうち地域クラブに登録しているのは1・2年生だけで773人とのこと。たぶん、半数くらいの生徒が登録しているのではないかと思います。土日祝に学校部活動を実施しないことは教員の負担軽減にはなります。でも兼業届を出して地域クラブの指導員をしている教員も多くいます。本人の希望なら良いのか、この部分も地域人材に任せていくのか。難しいところです。

【加賀市の教育予算。人口は高石市とほぼ同じ。教育ファーストが凄すぎる】
続いて本日23日は石川県加賀市の教育改革「BE THE PLAYER」(こちら)について、教育委員会の担当者からお話を伺いました。「そろえる教育からひとりひとりを伸ばす教育へ」ということで、先生が前に立って一斉授業、というスタイルから、自分のペースで自分で学ぶスタイルへの転換を図っています。そのための準備は大変ですが、先生同士も学びあい助け合い、教育委員会も伴走者として共に歩む姿勢で3年目を迎えているということでした。2022年10月に教育長に就任した島谷千春氏が大きく旗を振って始めた教育改革。改革に当たってはコンサルなどへの委託はしなかった、とのこと。今回の説明を担当してくれた職員さんは、当時は中学校教員で、急な方針転換に正直とても戸惑った、と仰っていました。でも研修で教育長の意図するところを聞き、不安より期待が大きくなった、とのことでした。
島谷教育長が今年3月に退任し新しい教育長が就任してからも改革は継続されていて、実際に子ども達は自分で勉強をコントロールすることが出来るようになり、分からないことは周りの友達に聞くなど、自主的に学ぼうをする力が身についてきているそうです。
不登校対策にも力を入れていて、各校にSSR(スクールサポートルーム)を置き、専任の支援員を配置しています。市長が「教育に贅沢なし!」つまり、教育ファーストで予算は潤沢に用意する、という方針だそうで羨ましい限りです。未来の社会を安定させる為には教育に投資することが一番効果的です。高石市でも教育ファーストで是非!

