大阪府高石市 市議会議員 山敷めぐみ

山敷めぐみ(高石市議会議員)

議員定数削減に反対する理由

2025年10月21日

【R4年3月。議員定数削減に反対討論中。当時の状況を思い出させるマスク姿】

にわかに国会議員定数の削減がクローズアップされています。高石市でも過去に何度も議員定数が削減されています。直近(2022R4年)の議員定数削減(議案第19号)に私は反対しました(こちら)。

議員定数を削減することが本当に国民や市民にとって良いこととは、私には思えません。多様な視点、違う観点から権力を監視することによって、暴走は食い止められ、偏りは是正されるのです。

今、国会周辺で議論されている比例定数を削減してしまうと、大きな政党が有利になり、その政党を支持している大きな組織(大企業や大きな全国組織など)にとって有利な政治が展開されます。でも、選挙区では議席は取れないけど、小さな声を拾って活動を続けていて、その活動を必要とする国民に支持されていて、比例で議席を得ている政党もあります。多様な声を政治に反映させるためにも、議員定数は削減されるべきではありません。

民主主義で大切なのは少数意見の尊重です。異論を封じて事足れりとするのは、民主主義ではありません。「君の意見には反対だが、君がその意見を主張する権利は命を懸けて守る」という精神、つまり異なる意見をぶつけ合うことで健全な社会の発展を目指すことこそが、民主主義の根幹ではないかと思います。

別の観点では、議員への報酬などは無駄遣い、勿体ない、と言われることもあります。しかし、国会議員一人当たりの歳費・調査研究広報滞在費・秘書費・無料パスなどの交通費などを最大に見積もっても約7,500万円。国会議員数713名を掛けたら534億7,500万円です。国家予算全体が約115兆円2,000億円なので、国会議員に関する費用が占める割合は約0.04%となります。議員定数を削減しても費用対効果は限定的です。

また、日本の国会議員数は多すぎる、とも言われますが、日本が議院内閣制を導入する際に参考にした諸外国を比べた場合、むしろ日本の議員数は人口比で少ないのです。

下の数字は、国会議員1人当たりの国民数です。日本は議員一人当たりの国民数が多く、議員と国民の距離は遠くなっています。ちなみに議員に係る経費についても日本が特別多い訳ではありません。

  • イギリス: 約10万7,000人
  • ドイツ: 約13万4,500人
  • 日本: 約17万2,700人

ちなみにちなみに、高石市の議員定数削減の際も議論しましたが、同規模の市に比べて高石市の議員は少ない方です。私の感想としては、今の高石市議会は議員定数が減り、行政への監視機能は低下しているように思います。委員会審議などでの多様な質疑応答が少なくなったように感じています。行政側からも、与しやすいと思われているような気がします(気のせいかも知れませんが)。これ以上、高石市も、大阪府も、国も、議員定数の削減はすべきではありません。

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