第86回全国都市問題会議in姫路
2024年10月18日
昨日・今日と姫路市で「健康づくりと街づくり~市民の一生に寄り添う都市政策~」というタイトルで開催された表記の会議に出席。面白い内容でした。基調講演は福岡伸一青山学院大学教授。「生命を捉えなおす~動的平衡の視点から~」。カラダは固体というより流体であり、絶えず分解と合成が繰り返されている=分解と合成の絶え間ない均衡。生命の本質は遺伝子や細胞といった要素にあるのではなく、要素と要素の関係性、それらの「あいだ」で起きる相互作用にこそある。そのことは人間社会の成り立ちにも通じる。…とても知的好奇心を喚起される講演でした。
続いては開催市である姫路市の清元秀泰市長から主報告。清元市長は医師・医学部教授などを経て現在は市長2期目。「姫路の健康づくりとまちづくり」と題しての報告。市政のメインテーマは「LIFE(市民の命・くらし・一生)」。医師としての知見を活かした「子どもの未来健康支援センター『みらいえ』」において、思春期保健や母子保健を包括支援しておられるお話など、凄いなぁ、と思う内容でした。ウォーカブルシティ、というどこかで聞いたことのあるワードも。歩行者利便増進道路「ほこみち」のお話は高石市でも参考になるかも。
午後からは谷口守筑波大学教授による「生き物から学ぶ健康なまちづくり」。生き物と都市は実はよく似ている、循環、エネルギー摂取、神経系、排泄、個々の細胞などなど。そして成長・新陳代謝・病気・治癒・再生などなど。生物模倣学バイオミメティクス。近隣の市町村が協調して体質改善をすることの重要性を説かれていました。
続いて千葉県流山市の井崎義治市長から「母になるなら・父になるなら流山」の施策の結果、合計特殊出生率が46%(!!)もアップしたお話が!人口21万3千人。認可保育園等は104園(!!)。高石市2016年3月議会で、流山市を見に行った当時の市長が流山市で導入されていた駅前保育ステーションを高石市で設置すると言い出した時、狭い高石市のどこにニーズがあるのか、と議論したことを思い出します(結果として予算は計上されたが実施されず)。今回、流山市長は今はマーケティングではなくブランディングを大切にしている、と話を締めくくられました。
昨日の最後の報告は畑豊兵庫県立大学副学長から、歌唱による誤嚥防止について報告が♪毎週歌っていると誤嚥防止に有効に作用する、というデータが紹介され私は小さくガッツポーズ!報告のタイトルは「IT/AIの健康分野への適用例」。嚥下解析にAIを使った実験結果が報告されました。またITを使ってファジィ値を用いたデータ解析を行えば自治体の健康課題が浮き彫りになり有効な手立てが打てる、とのこと。全然お金を使わずに自治体の持っているデータだけで可能。…今まで高石市が何億円も健康コンサルに支払ったのは何だったんだ!!!と心の中で大声で叫びました(T_T)
さて今日はパネルディスカッション。南出賢一泉大津市長もパネリストとしてご登壇。「医食同源・身土不二」という言葉をご紹介され、泉大津市で行われているオーガニック給食の導入などの食育や金芽米の導入、あしゆびプロジェクト、さらには新型コロナワクチン接種での健康被害救済についてなど熱を込めてお話されました。ほかにも児童精神科医三木崇弘氏(子どもの健康施策はみらいのまちづくり)、管理栄養士の奥村圭子氏(栄養パトロール、社会資源の再構築)、長野県茅野市長の今井敦氏(市長が社協会長を兼任、AIオンデマンド交通実施)がパネリストとしてお話され、宮本太郎中央大学教授がコーディネーターを務められました。
盛りだくさん過ぎて消化しきれていませんが、高石市で取り入れられることを考え、今後の議会での議論に生かしていきます。