市議会議長会研究フォーラムin盛岡
2024年10月10日
9日・10日は岩手県民会館@盛岡市で開催された第19回全国市議会議長会研究フォーラムに参加しました。今回のテーマは「主権者教育の新たな展開」
発端には昨年12月に全国都道府県議会議長会、市議会議長会、町村議会議長会が出した決議があります。それは「地方議会に関する地方自治法改正を踏まえた主権者教育の推進に関する決議」(こちら)です。
地方議会の課題として①投票率の低下②無投票当選の増加③議員の性別・年齢構成の偏りが挙げられ、議会に対する関心を高め理解を深める主権者教育の推進が謳われています。
つまり主に若者に政治に関心をもってもらい、自分事として投票にも主体的に参加するような態度を育てることが必要。そのために地方議会もできることに取り組みましょう。というような内容でした。が、そもそも議会は教育機関ではありませんよね、というパネリスト(法政大学法学部土山希美枝教授)もいらして、面白いパネルディスカッションでした。
パネリストの一般社団法人WONDER EDUCATION(こちら)の越智大貴代表理事は、調査結果から「日本の若者は政治に関心がない訳ではなく、自分が社会を変えられると思っていないから選挙に行かない」と解説してくれました。
読売新聞東京本社教育ネットワーク事務局の渡辺嘉久さんからも同様の趣旨で興味深いデータが示されました。それは「政治は変えられる」と思っている若者は「投票に行く」と答える割合が高い、というものです。
効力感、というか「自分の力で社会や政治を変えることができる」感覚を若い人たちに実感してもらうにはどうすればよいのか。
それを目指している実践例として、2日目は実際に議会として主権者教育に取り組んでいる3市(長野県伊那市・三重県四日市市・熊本県山鹿市)の議長(経験者)からの報告とパネルディスカッションでした。司会者(東北大学大学院情報科学研究科 河村和徳准教授)が「正解、というものは星の数ほどある。正解を求める知識ではなく参加経験が大事。主権者教育とは地域への愛着をはぐくむ過程である」と冒頭に述べたのが印象的でした。
山鹿市服部香代議長からは「民主主義は多数決ではなく話し合い、ということを伝えることが大事」との話が。四日市市諸岡覚・元議長からは議会だより子ども号が紹介されました。伊那市白鳥敏明前議長からは議会との意見交換に参加した高校生が自分で子育て世帯へのアンケートを実施し、議会に請願を提出。委員会での趣旨説明も行い、全会一致で採択された例が報告されました。
高石市でも何らかの形で議会も関わった、そして形式的ではなく効力感を持ってもらえるような主権者教育を実施したいなぁ、と思いながら帰ってきました。議会は教育機関ではない、というご指摘も踏まえながら、考えを進めたいです。