大阪府高石市 市議会議員 山敷めぐみ

山敷めぐみ(高石市議会議員)

ヤングケアラー支援研修

2022年10月22日

【令和4年度 第1回 人権擁護士連絡会】

昨日は府庁咲洲庁舎で開催された人権擁護士の「スキルアップ講座」に参加しました(私は2010年度に大阪府人権擁護士に認定されています。スキルアップ講座には昨年も参加(こちら))。

今回のテーマは「ヤングケアラー」(ヤング=若者、ケアラー=世話をする人)。

「ヤングケアラー」というのは、本来大人が担うと想定されているような家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもの事を指します(厚労省のサイトはこちら)。私が初めて高石市議会で「ヤングケアラー」について質疑したのは2018(H30)年12月議会でした。その時は、そのテーマでは初めての質疑と言うことで教育委員会としても「その専門用語は把握していなかった」という答弁でした(議事録はこちらの最後あたりです)。

その後、国・府・市でも対応が進んではいますが、いまなお顕在化しにくい問題として取り上げられることが多くなっています。

昨日の研修でも言及されていましたが、家族のケアを担っている子ども自身が、自分の置かれている立場を「ヤングケアラー」だと認識できていない、という問題があります。「遅刻が多い」「宿題をしてこない」「授業中に寝てばかり」という状況の子どもが、実は家庭で過重な役割を担っている、という可能性があるのです。

大阪府は今年から3年間、ヤングケアラー問題に集中的に取り組む、としていて、府立学校での悉皆調査(全数調査)に取り組んでいるそうです。大阪市も行っているとのこと。高石市でも、まずは全数調査を行って頂きたいと思います。

そして子どもから相談があった場合、助言・否定・励ましをするのではなく相手の立場を理解し言語化を促す関わりが必要とのこと。また本人の気持ちは行きつ戻りつ…なので、支援を焦らないことが大切だそうです。これは素人には難しくSSW(スクールソーシャルワーカー)などの専門職の力が必要です。

またネグレクト(育児放棄)とのボーダーの判断も難しいとの指摘もありました。

いずれにしても、子どもの人権が著しく侵害されている状況に周囲が気付けることが大切です。府立高校での調査結果は、40人あたり2.6人のヤングケアラーがいる、とのこと。私が想像していたより多くて驚きました。子ども自身がSOSを発信しにくいことを考え、周囲が気付ける仕組みを高石市でも作っていくことが必要だと感じた研修でした。

【咲洲庁舎41階からの眺望は素晴らしかったです】
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