熊本県宇土市へ
昨日から熊本に総務文教委員会で視察に来ています。1日目は熊本地震への対応を学びに、宇土市にお邪魔しました。地震が起きたのは2016年4月14日(木)21時26分と15日(金)00時03分。いずれも宇土市は震度5強だったそうです。しかしこれは前震でした。その後、16日(土)深夜1時25分に震度6強(宇土市)の本震が発生。市役所本庁舎の4階5階部分が大きく損壊。市役所機能の多くを喪失しました。頂いた資料には「行政も被災した場合“痒いところに手が届く”どころか“痛いところにも手が届かない”状態となる」と。備蓄品は1日で枯渇し、発災から3日間は配給物資が大幅に不足したそうです。20日夜以降は大量の救援物資が届き、逆に配布に苦労したとのこと。その際、学校が休みになっていた中学生・高校生が大活躍。職員が配布したら文句が出る物資も生徒が配布すると皆さん笑顔で受け取られたそうです。
最低3日分の水と食料は各家庭で、と良く言われますが実際に「絶対に必要」だということでした。また避難先として車を挙げた人は実に86%。余震(16日は有感地震が1時間に50回以上、そのうち震度3以上が9回)が起こり、建物に入ることが怖い、という状況だったようです。高石市でも車での避難生活を想定した準備が是非とも必要です。
避難所開設訓練もしなければなりません。鴨公園に集まる訓練は充分にしてきたので、今年は地元の避難所で実際の開設を想定した役割分担や避難区画の配置についてを訓練することが必要だと強く感じました。宇土市では避難所の開設にあたって要支援者への配慮が出来なかったことが大きな課題、とのことでした。地震は突然起こります。訓練していたことすら満足に出来ないと言います。訓練していないことは絶対に出来ません。
誰が何を担当するのか、トイレの水をどうするのか、要支援者をどうするのか、ペットをどう扱うのか、救援物資をどうするのか、ということを地域と一緒に「やってみる」ことの重要性をひしひしと感じた視察となりました。また、宇土市では避難所において初期の段階で全ての方に聞き取り調査を行ったそうです。そのことが後の仮設住宅整備方針を決めるときに大変役立ったとのことでした。初動体制を想定しておくことも重要です。
職員は大変だった、とも。お話しをして下さった方は余震の続く中、もう少し家に居て欲しいという家族に「ごめん」と言って仕事に向い、その日から帰宅する間もなく業務に追われたそうです。暫くぶりに帰宅すると、家屋は無事でしたが家庭が「大規模半壊」だったと仰っていました。普段から家族サービスを充分にして仕事への理解を求めておく必要がある、との言葉に、今は笑顔でお話し下さっているけど本当はとても大変だったんだろうな、と想像しました。
さて、今日はこれから熊本市役所に給食費の公会計化に伴う民間委託の状況についての視察に行きます。内容は改めて報告します。