緩速濾過の更新も可能では?
14日(金)に始まった6月議会。初日の午後の全員協議会で私は信太山浄水場の存続が、財政面でも充分に可能であることについて発言しました。その根拠は、泉北水道企業団が平成25年から3年間の歳月と2,052万円の費用をかけコンサルタントに「水道事業の広域化に関する計画策定業務委託」し得られた結論によります。
そこには「課題のまとめ」として信太山浄水場を緩速濾過のまま補強と設備更新することが望ましい、という結論が明記されています。その費用は25億円と試算されています。これが示されたのが平成28年3月。たった3年前のことです。
25億円であるなら、配水量を3市で按分した比率(2017年度給水量)で考えると高石市の負担は約7億5,500万円。これを20年償還で考えると、現在の政府系金融機関の利率0.2%(0.1%~0.3%の中間)としてざっと計算すると、当初3年間は据置き期間として年間151万円。市民一人当たり年間約27円。4年目からは約4,442万円。市民一人当たり年間約780円の費用ということになります(市民57,000人として計算)。
これだけの負担で2次水源となる光明池からの水を確保出来るなら、費用対効果を考えても充分に納得出来るのではないでしょうか。
もちろん、その後のメンテナンス費用など存続のために必要な経費はあると思いますが、淀川だけを水源とすることのリスクを回避するためには必要な支出だと考えます。
しかし今回の全員協議会の資料には「(信太山浄水場の存続には)70億円掛けた急速濾過での全面更新が条件」だが「70億円を掛けて安全保障上自己水保有の選択肢はない」と明記されていたので、その根拠を訊ねに全員協議会の前日、谷町2丁目にある大阪広域水道企業団を訪問しました。
驚くことに、広域水道企業団では「そのような条件は出してません」とのことでした。確かに緩速濾過では水質の維持が難しいことや耐震化には相応の予算が必要なことから、存続が難しいのではないか、との助言は行ったが、それを条件とはしていないそうです。
そのことも行政に伝え、もう一度信太山浄水場を緩速濾過で残すことも選択肢に入れて考え直して欲しい、と伝えました。
しかし、他の議員からは「淀川からの水だけでも災害対応は十分。費用対効果を考えると信太山浄水場廃止はやむなし」との声もあり、多数決になると厳しい状況です。