福岡地区水道企業団へ
6日(火)から7日(水)は泉北水道企業団の視察で福岡市へ。1日目は牛頸(うしくび)浄水場、2日目は玄界灘に面した海水淡水化施設「まみずピア」を視察しました。
泉北水道企業団、というのは高石市・和泉市・泉大津市で構成され、光明池を水源とする水を1日約15,000㎥、給水人口約32万人に供給する企業団です。高石市の水道水の約25%は光明池からの水です。残りの75%は淀川を水源とする大阪広域水道企業団から購入しています。
福岡では筑後川からの取水により周辺6市7町1企業団1事務組合(給水人口約240万人)への用水供給を牛頸浄水場から行っています(1日約20万㎥)。筑後川以外の川や池・地下水などからも合わせて日に62万㎥の水が供給されているそうです。また玄界灘の海水を淡水化した水も1日平均3万㎥が供給されています。渇水に苦しんだ経験から、海水を淡水化しての利用を推進した福岡水道企業団ですが、その費用は莫大で、年間17億~18億円が必要だそうです。その半分ほどが脱塩処理のための高圧ポンプ稼働などの電気代ということでした。
さて、視察に先立ち2日(金)には泉北水道企業団議会が開催されました。実はこの企業団については廃止が検討されており、議会には何の説明もないままに話が進んでいるようです。2年前には2000万円以上を使って現状分析と今後の見通しについての案の作成をコンサル委託したのに、その結果すら正式に議会には説明していません。そこで、高石市議会議長から高石市の議会へ企業団からきちんと説明をするように10月5日に要望したのですが、和泉市長でもある辻企業団長からは断られました(阪口市長と泉大津の南出市長は副企業長です)。議会ではそのことについて質疑しましたが、納得のできる答弁は得られませんでした。
泉北水道企業団の施設は老朽化が進んでおり、確かに存続には多額のお金が必要です。でも危機管理の面から考えると、例えば津波の逆流で淀川の水が取水出来なくなったときや地震で送水管が破断したとき(実際に6月の大阪北部地震では基幹管が破断し、暫く北部地域への給水が止まっていました)、光明池の水があることで、市民への水の供給がゼロになることはないでしょう。
今回の視察先の福岡でも、筑後川の水だけでは渇水対応が難しく海水の淡水化にまで取組まれていました。国も二次水源を持つことを推奨しています。泉北水道企業団でも、是非二次水源として光明池の水を今後も大切に利用していかなければ、との思いを強くした視察でした。