3つの公立幼稚園耐震化の費用は・・・
2016年07月05日
先日のブログに書いた公立幼稚園廃園の件。実は、平成23年に公立幼稚園5園を3園に再編することが決められた際、残す3園の耐震化や大規模改修が決定されました。当然のことです。そして、平成24年度から25年度に掛けて耐震化などの実施設計→工事が行われました。実施設計だけで平成24年度に703万5,000円(←p.2 p.3参照)。そして工事が1億2,382万200円(←p.7 p.8参照)(北幼稚園:3,741万4650円。加茂幼稚園:4,178万2650円+ガス管工事154万3500円。高陽幼稚園:4,307万9400円)(写真は平成25年度決算書の1ページです)。合計1億3,000万円以上の税金が投入されたのです。
これだけの税金を使いながら、たった3年後に廃園を決定するとはどういうことなのでしょうか。色々な面で無計画過ぎると思います。
公立幼稚園は、以前は各小学校区に1園ずつ7園ありました。しかし阪口市長は長年にわたり強い要望のある3歳児保育を頑なに導入せず「園児の減少」を理由に、各中学校区に1園、合計3園にまで削ってきました。しかし、これが園児と保護者が一緒に通えるギリギリの距離です。そして、登園・降園の時に保護者同士が繋がり、地域とも顔見知りになり、安心して小学校生活に馴染めるという公立幼稚園の最も大切な面を維持できるギリギリの数です。市もそれを分かっていたからこそ、残った3園を耐震化し、また大規模改修をしたのだと思っていました。残る3園を安心・安全な建物にした上で3歳児保育を導入するものと信じていました。
しかし期待は裏切られ3歳児保育は導入されないまま保育料の値上げが行われ、ますます園児は減少しました。当たり前です。そして今回の廃園の方向性の打ち出し。
政策の方向性が見えません。
市のウェブサイトのトップには「めざすは子育てナンバーワン」と書いてあります。でも保護者の納得も得ず次々と公立幼稚園を廃園し、公立保育所を民営化し裁判まで起こされ(現在も裁判は続いています)、何が「子育てナンバーワン」なんでしょう。公立の子育て施設を廃止することは、高石市は子どもに税金を使いません、と宣言していることと同じだと思います。今回は、せっかく使った税金が無駄になるわけです。
ここは、是非いったん立ち止まって、ゆっくり時間を掛けて公立幼稚園の役割を市民と共に考えてみてはどうでしょうか。もちろん、20年以上も要望されている3歳児保育を導入し、預かり保育も、もっと利用しやすい方法で導入してみて、それでも園児が減少するなら次の手を考えれば良いではないですか。せっかく多額の税金を使って幼稚園をきれいにしたんですから。
急ぐ必要は何もありません。高石市の子どもの育ちを長い目で見て、どの方法がベストかを考える。もちろん、保護者と一緒にです。幼稚園のあり方を検討し始めてから実際に再編に至るまでに8年間を掛けた泉南市の例もあります。
今までの高石市は急ぎすぎていました。今回もそうです。急に「再編」だの「廃園」だのと聞かされる子どもや保護者の気持ちを考えてみてください。いくら「子どものためです」と言われても納得できる訳がありません。
まだ何も決まっていません。検討委員会は決定機関ではありません。今からでも充分間に合います。阪口市長には、ゆっくりとじっくりと子どもの幸せを保護者も市民も一緒になって考える時間を取って頂きたいと思います。