福岡県福津市・大分県中津市へ~総務文教委員会視察~
子どもも地域も幸せになる取り組みです
昨日から一泊で教育に関する視察に行きました。初日は福津市でコミュニティスクールの取り組みについてを伺いました。コミュニティスクールというのは「学校運営協議会」を設置し、保護者や地域の方々が学校運営に参画する仕組みで、文科省が〝地域と共にある学校づくり″として進めているものです。全国で1,919校が指定されていて(平成26年4月1日現在)、福津市では市内の小中学校10校全てが指定となっています(大阪府内では河内長野市の13校のみ)。
学校の課題を地域の力を借りて解決する、というコンセプトで「子どもにどんな力を付けたいか」ということを中心に学校と保護者と地域が共働する仕組みは素晴らしいと思いました。具体的には、ゲストティーチャーとして地域の大人が自分の仕事のことや地域の歴史などについて子ども達に話す授業や、子ども達の自尊感情が低いという傾向が問題になった時に地域から「ボランティアを取り入れては?」と助言され、夏休みに20件の要請があり、夏祭りの手伝いやデイキャンプの手伝いなどに取り組んだ結果、地域の人たちも中学生を見直し中学生も感謝されることで自尊感情を持つことが出来た、ということでした。地域の人たちから大切にされている、という思いが子ども達の心を満たすことで、不登校や問題行動の件数は目に見えて減った、というのも頷けました。
2日目の今日は、中津市で地域協育振興プラン推進事業についてを伺いました。中津市では「教育」を「協育」として公民館を拠点に平成20年より学校支援を行っています。小学校区に1つずつの公民館があり、嘱託職員である館長が協育コーディネーターとなり自治会・婦人会・PTA・老人会・民生児童委員・公民館サークル・NPO・企業などを横に繋げた校区ネットワーク会議で学習支援などについて取り組んでいます。例えば毎朝10分の小テストの丸つけを地域の方に依頼することで担任は学習に躓いている子どものフォローに回ることができる、授業参観時に託児支援をしてもらう、家庭科のミシン学習に多くのボランティアに入ってもらう、など色々な場面で支援をしてもらっているということでした。これは支援する側も役に立つ喜びを味わうことが出来、高齢者福祉の観点からも有意義です。「地域とともにある学校づくり」から「学校とともにある地域づくり」として、地域力の向上を目指していく、という結びの言葉が印象的でした。
両市に共通しているのは、子ども達を地域と共にで育てようという学校・地域・教育委員会・行政の大きな熱意があるということです。高石市にも是非このような学校を中心として地域がまとまる仕組みづくりに取り組んで頂きたいと思いました。創意工夫次第で少額の予算で大きな効果を生むことが出来ることも魅力です。教育委員会理事も視察に同行されていたので、今回の視察内容が今後高石市の教育行政にどのように生かされるのかに注目したいですし、議会でも様々に要請をしていきたいと思います。