大阪府高石市 市議会議員 山敷めぐみ

山敷めぐみ(高石市議会議員)

教科書展示会

2018年07月13日

クーラーもないし網戸もない・・・

昨日は、高陽小学校の隣にある教育センターでの教科書展示会に行って来ました。来年度、中学校の道徳が教科化されます。そのために、中学校の道徳の教科書の選定が行われるのです。そもそも私は道徳を教科にすることには反対です。道徳的な規範を身につけることは必要です。でもそれは、国語や体育や芸術などの教科教育の中で、あるいはクラブ活動など普段の学校生活の中で教員の言葉がけや振る舞いで生徒に示すべきものです。理解が進まない生徒や授業に参加しない生徒に対する先生の態度を、周りの子どもは見ています。叱り飛ばすだけ、抑え付けるだけ、あるいは無視する、などの指導ではなく、なぜ理解が進まないのか、なぜ授業に気持ちが向かないのか、というところにまで心を砕いた指導をすることが、すなわち道徳教育になるのではないでしょうか。

 

とはいえ、教科書選定は行われます。なので、暑い中ですが頑張って教科書を読み比べてきました。

いじめに関する記述が気になるところですが、一番(悪い意味で)驚いた教科書の教材は・・・『いじめをして相手が自殺してしまった場合・・・「少年院に2年くらい入らなければならない」「その後、地元に帰っても周囲の冷たい視線が待っている」「多ければ1億円以上の賠償金を一生払い続けなければならない。破産手続きをしても犯罪の賠償金は免除にならない」』・・・と書いてあるものです。

いじめがなぜアカンのか。それは、相手の安心・自信・自由を奪うからだと私は考えています。学校に安心して通える。自分に自信を持って過ごせる。誰とでも自由に交流できる。このことが、いじめられることで全て失われます。

教員を始めとする周りの大人は、子どもが「いじめないこと」「いじめられないこと」を教育の目的とするのではなく、「いじめを容認しない考え方を身につけること」を目的とした教育を行っていただきたいと願います。そうしないと、大人に見えない場所でのいじめ(SNSなどでのいじめ)は無くならないと思います。

冒頭紹介した教科書のように、罰を持ち出して「いじめないこと!」というのは、その対極にある教育です。そのような教科書が選ばれることのないように意見を書いてきました。

今回は教科書に関心のある友人も一緒に行きました。去年も書きましたが、今年もクーラーも無い、網戸も無い部屋で、持参した団扇(←去年学習した)でパタパタ扇ぎながら、蚊に刺されて(←去年学習したのに虫除けを忘れた)かゆさと闘いながら1時間半ほど教科書を読みました。他市では図書館で教科書展示をしている所もあります。せめて、クーラーの効いた部屋でゆっくりと読み比べたい、と切実に思います。これも去年に引き続き意見として書き添えて来ました。そもそも教育センターは耐震化も出来ていない施設です。子どもたちも来る施設なのに。このことも議会でずっと指摘しているのに全く改善されません。本当に子どものこと、教育のことを大切に考えてるの?と思ってしまいます。

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