学校と警察の情報連携について

年末に傍聴した二つの会議には関連性がありました。教育委員会定例会(12月20日)と個人情報保護審査会(12月26日)です。併せて報告します。

まず、教育委員会定例会では「個人情報保護審査会に諮問すること」について諮られました。内容は学校から警察への情報提供の可否と、警察から学校が情報を収集することの可否についてです。学校→警察に提供する情報は「非行・いじめ・犯罪被害の未然防止と安全確保・などのうち校長が警察との連携を特に必要と認める事案」。警察→学校に収集する情報は「児童生徒の逮捕事案・非行事案・児童生徒の被害に係る事案・などのうち警察署長が校長との連携を特に必要と認める事案」です。

教育委員からの質問は「保護者の了解はどうするのか」「誤った情報が提供・収集された場合の訂正の手段はあるのか」というものでした。事務局の答えは「保護者の了解を得ずに提供・収集するために個人情報保護審査会に諮問する。保護者からの問い合わせには内容は伝える」「情報の正確性については学校と警察が責任をもつ」というものでした。

質問した教育委員は、2015年12月に広島県府中町で、別人の万引きの非行歴を基にして誤った進路指導をされたことで中学生が自死した事件のことを取り上げ、そのような懸念はないのか、ということを確認していたのですが「責任を持つ」だけでは答えになっていないと感じました。

この定例会の結論は「諮問することについては了解する」となり、6日後に個人情報保護審査会が開催されました(何と準備の良いことでしょう!)。

そこでは、もう少し詳細に説明・質問がされていました。私が一番問題だと思ったのは、ある委員から「学校側は収集した情報は在籍期間のみ保存する、というガイドラインにより管理できるが、警察について在籍期間終了後は確実に破棄されるという保証はあるのか。個人情報保護条例第8条第4項に定められている「個人情報の管理について必要な措置を求める」ことをしたのか」という質問がされたとき、事務局が「そのような文書は交わしていない」という主旨の答えをしたことです。警察に児童・生徒の情報が蓄積されていく心配は無いのでしょうか。

この審査会の結論は「国が進める制度でもあるし、イジメの未然防止の為にも、提供・収集の情報管理および運用をしっかりすることを条件に了承する」とされました。しかし、イジメの未然防止のためなどに警察に児童・生徒の情報を提供し、警察から情報を収集する必要があるのか、疑問を感じます。

資料には、大阪府内では既に28市町村が同様の情報連携をスタートしている、と書いてあります。協定を締結していないのは高石市・堺市・大阪市・泉南市など、ということです。審査会の最後の方に、ある委員が「資料p.20には大阪府警少年課による協定締結のメリットしか書いてないが、個人情報保護の観点から見たらデメリットそのもの。条例の例外事項なので情報管理をしっかりすべき。『幅広い相談が可能になる』とメリットとして書かれているが、際限なく運用できることを懸念する」との発言をしましたが、この指摘は的を射ていると感じました。

高石市教育委員会によるガイドラインには「児童・生徒および保護者には本制度の趣旨を周知し、保護者の充分な理解、協力を求める」と書いています。今後の市教委の対応に注目しています。

 

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