高石市議会総務文教委員会の視察で、昨日は山口県下松(くだまつ)市(しもまつ、ではありません)に、今日は光市に行きました。
そもそも山口県全体が教育に熱心に取り組んでおられ、県内すべての小中学校で35人学級を実施(文科省の基準は小学校1・2年生のみ)、さらに小学校1年生の30人学級化にも前向きです。さらに学力向上推進リーダーとして教頭を、学力向上推進教員として教諭を配置することで、教員の資質向上にも取り組まれています。さらに「やまぐち学習支援プログラム」として基本問題学習プリントをウェブ上で提供し家庭学習・自主学習などを支援しています。
そんな中で下松市では独自の取り組みとして特に理科教育に力を入れておられ、地元の企業である日立製作所笠戸事業所のOBの力も借りて理科ボランティアを3校の中学校に28名という手厚い配置をするとともに、理科補助員として地域の人材を配置しています。また特別支援教育においても質の充実・向上に資するために「教員補助員」を小学校8校、中学校3校に必要に応じて計29名を配置し、賃金(時給780円、1日6時間、週29時間)も市が支払っています。また教員の資質向上のための取り組みも様々に行われ、実績を挙げておられる様子を伺いました。教員の資質向上はそのまま児童・生徒たちの学校生活の向上につながると思います。高石市でも積極的に取り組んで頂きたい、と思いながら下松市をあとにしました。
本日の視察先、光市では大きな特徴として「コミュニティスクール事業」に取り組んでおられ、今年度には5中学校、来年度は11小学校すべてが「コミュニティスクール」の指定を受けることになるそうです。コミュニティスクールというのは学校・家庭・地域が「めざす子ども像」を共有することでそれぞれが「教育の当事者」として学校運営に参画する、というものです。文科省の推進する事業でもあり、保護者・校長・地域住民などで構成される、法律に基づいた「学校運営協議会」により学校運営方針に対し提言や承認がなされます。地域の人たちがお客様ではなく当事者として教育に関わることにより、生徒指導上の問題も目に見えて減少し、学力も向上している、ということを伺いました。また幼稚園・保育所から小学校・中学校までの15年間をトータルとして見通した連携にも取り組まれていて、学習面や学校生活面で子どもが躓いたとき、前の段階の先生が関わったりすることで問題の解決にスムーズにつなげることが出来るということでした。新しい場への適応をそのように支援してもらえる子ども達は幸せだ、と思います。
いずれの市も、市教委の担当者がとても生き生きと楽しそうにご説明下さったのが印象的でした。ご自分たちの市の教育に自信と誇りを持っておられることが感じられました。市の規模は高石市とほぼ同じ両市でしたが、高石市においては何から始めるべきか、どのように市に伝えていくのかを考えなければなりません。ちなみに視察には高石市の教育部長も同行しておられました。
山口県は首相が輩出したことに強い誇りがあり、「教育県」も自認しているので、
それだけでも職員は誇らしげぶりは2割増しだったのでは。
冗談はさておき、高石と規模の似た両市が成果を得ているなら、
全国トップレベルの福井よりも、その工夫を参考にしやすい事例かもしれませんね。
臨海コンビナートがあるという点まで似ていますから、
ものづくりに携わる理科系人材の活用もやる気があれば採り入れられるように思います。
高石の小学校でも家庭教育の習慣を定着させるべく、熱心に取り組んでいる学校もあります。
福井県もこうしたことに熱心です。
ただ、高石全体でみれば、どういった教育方針を持っているのか、いま一つ感じられません。
視察した教育部長には両市の取り組みはどう映ったのでしょう。
「めざす子ども像」を共有することも大切だと感じました。。
ただ、山口県からあまり学んでほしくないこともあります。
「忠君愛国」を連想させる吉田松陰一人を、
「愛国心条項」にもとづいて郷土の偉人として全公立小中学校で教えるの奨励していることは、
戦前の教育のようで抵抗感があります。
denn様
山口県は8人も首相を輩出しているのですね。多いことは知っていましたが改めて調べてみて驚きました!
教育に力を入れている県は多いと思います。力の入れ方が問題です。本当に育てたい「子ども像」を思い描き、どうすればそこに到達できるかをこそ考えるべきなのに、成績だけを一面的に捉え、結果の公表や校長名の公表を行うなどということは「教育」の正反対にある行為です。
10月10日付の天声人語に「教育熱心ならいいが、点数に汲々とする『教育結果熱心』は似て非なるものだ」という記述がありました。「人は成長の緩い植物のようなもの」とも。そこを待てるかどうか。待ちつつ適切な時期に水をやり肥料をやり、様子を見ながら育てていくことこそが「教育」だと私は思います。学校現場は結果を見ることが出来なくて良いんです。目の前の子どもの5年後、10年後を考えた上で今日の教育をすることを認める環境を整備して頂きたいと願います。
吉田松陰については、denn様に同感です。今回の視察では名前も全く出てこなかったのですが、全県で奨励されているのですね。何を目指しているのか、と思います。
高石の教育については…。「教育は人なり」という言葉を是非よく考えて頂きたい、と思います。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/hearing/06gakkou.pdf
公務員を一人でも多く首を切りたい阪口伸六市長でしたら喜んで乗ってくる内容ですね。
すでに特区の申請してたり情報収集してたりしませんか?
一市民様
公立小中学校の教諭は府費職員ですので、人員削減をしても高石市職員は減りません。それに、他市に先駆けてこのようなことをしてしまうと、ただでさえ年少人口(0歳から14歳まで)の流出が他市よりも多いのに、ますます拍車を掛けることになることでしょう。そこは市長も理解されていると思いたい、です。